2023年 1月登山の日


12月登山の日

厳冬期 優しい表情を見せる谷川岳からの眺め

 

おすすめの山 谷川岳

今月は谷川岳を紹介しましょう。
近くてよき山なりと呼ばれ、関東圏の登山者にはおなじみの山です。一の倉沢のクライミングルートは別として、雪のない時期は準備をきっちりとすれば初心者でも登ることができます。
冬もしっかりしたリーダーの下では雪山入門のルートと言えます。しかしこの山ほど登山のリスク管理(天候・危険個所の把握など)が求められる山はないでしょう。もし、天候の読みを誤って吹雪となると、逃げ場がなく目標の少ない尾根は一気に牙をむいて登山者に襲いかかります。一方移動性高気圧に覆われると風も穏やかで、素晴らしい雪山の風景を楽しむことができます。
言い方は古いですが、この山ほど慎ましく真面目に登山をする者と、生半可で驕慢な態度で登山をする者とを判別してくる山はないでしょう。
今年この厳しくも優しい谷川岳に登りませんか。
 

 
 

おすすめのコース

 

【行程】
天神平-熊穴沢避難小屋-谷川岳・肩の小屋-トマノ耳-オキノ耳-トマノ耳-谷川岳・肩の小屋-熊穴沢避難小屋-天神平
*天神平まではロープウェイを利用

 
【コースの特徴】
なんとなく踏み跡をたどれば頂上に向かうことができるほど登山者も多いルートですが、ひとたび吹雪くと方向判別が難しいルートです。しっかり方向を地図で確認しつつ、万が一に備えてルート旗を要所に立てて登りましょう。
特に危険なところはありませんが、一部尾根が細いところがあります。万が一に備えてロープを持参しましょう。降雪後はかなりラッセルを強いられるので、引き返し時間を定めて帰りのロープウェイに乗り遅れないように行動しましょう。

 

「冬山安全登山のすすめ」用具編

 
明けましておめでとうございます。
クリスマス寒波・お正月寒波と今年も冬将軍がやってきました。本格的な雪山から、山小屋に宿泊しながら2000mクラスの雪山入門と様々に楽しむことができる条件が揃いましたね。準備万端整えるのが、余裕をもって雪山を楽しむ秘訣です。今回はピッケル・アバランチギアの基礎知識を皆様にお伝えします。
 
さらに詳しく知りたい方は はじめての雪山登山特集もぜひ参考にしてください。
▼以下画像をクリックすると「はじめての雪山登山特集」のページに飛びます。

はじめての雪山登山特集 目次
①雪山登山の魅力
②雪山装備・事前準備の重要性
③雪山装備の選び方
・雪山基本装備リスト【ギア編】
・雪山基本装備リスト【ウェア編】
・雪山用登山靴の必要性
・アイゼンの選び方・種類
・ピッケルの選び方・種類
④雪山装備ギアをカテゴリーから選ぶ
・[雪山ギア コラム①]ワカン&スノーシューを使う
・[雪山ギア コラム②]アバランチセーフティーギア
・[雪山ギア コラム③]ピッケルアクセサリー
⑤雪山登山を成功させる5つの心得
⑥雪山入門・初級者におすすめコース4選
⑦雪山登山フォトギャラリー

 

ピッケル

 
岳人の魂と言われるピッケルですが、歩行時のバランス確保・滑落停止や確保支点等、雪山でこれほど多用途に使えるギアはないでしょう。現在、目的別に3タイプが販売されています。
1.マウンテニアリングアックス
クラッシックな雪山から雪壁・岩稜登攀までオールラウンドに使用するモデル。
2.ウォーキングアックス
主に氷河上等、歩きが中心の雪山用。アイスステップや雪庇の乗り越しに使用するモデル。
3.アイスクライミング/テクニカルマウンテニアリングアックス
急傾斜のアイスクライミングやオーバーハングしたアイス・ドライツーリング用のテクニカルルートで使用するモデル。
 

【ピッケル選択の基礎知識】

 
マウンテニアリングアックス・ウオーキングアックスはブレード・ピック共にシャープで強度のある(タイプB以上)を選びましょう。シャフトの長さはヘッドを握って、体側に添わせて直立した時にくるぶしに来る長さが標準です。岩稜・雪稜で主に使う場合は60㎝前後が使いやすく、重荷背負う冬期縦走や北八ヶ岳に代表される雪上歩行で使う場合は下降の安全性を考えて石突が床につく長さを選ぶと良いでしょう。もう一つの選択肢として、バックカントリースキーも楽しみ、雪山で使用できるストックを持っているときは、シャフトが短めで、急斜面を登る用途に使うスキーマウンテニアリングモデルを選べば兼用出来て使い勝手が良いでしょう。
アイスクライミング/テクニカルマウンテニアリングアックスは冬期のテクニカルな登攀ルートにおいてアイスセクションやドライツーリングセクションだけでなく、急峻な雪壁まであらゆる状況下で使いやすいタイプ。長さはほぼ50cmで共通。近年ではオーバーハングをドライツーリングで登り、岩壁から一筋垂れ下がる氷柱に乗り移る等、非常に高難度なルートを登るための高難度ドライツーリング・アイスクライミング専用のモデルも多くなりました。
 


アイスクライミングの一風景

 

雪崩対策装備

 
雪山に向かう際は、携行するが常識と言われています。しかし雪崩ビーコンは高価でもあり、命を託すたいせつな機器です。各装備を準備するポイントを整理しましょう。
雪崩ビーコン(アバランチトランシーバー)
雪崩に埋没した際に、機器から発信される電波を受信して埋没点を特定します。 発信周波数は457kHzで世界共通です。発信は1本のアンテナ、受信は3本のアンテナで行う雪崩ビーコンが標準です。
現在 埋没した人までの距離をデジタル表示するだけでなく、自分が埋没したときにより早く探索されるように、発信アンテナの方向を自動的に切り替えるなど各社は工夫を凝らしています。 機能的には各社ともに一定の水準に達しています。自分の雪崩ビーコンの特性をよく理解して、捜索訓練をする事が重要です。
既にお持ちの方はビーコンのソフトウェアアップデートがされていないか確認しましょう。

 

ゾンデ(プローブ)・ショベル

 
雪崩ビーコンだけでは埋没者を救出出来ません。プローブは雪の中に埋没している場所を特定するのに使います。長さは300センチが標準で、径が太くて、埋没深を確認しやすい目盛を刻んである物を選びます。引き伸ばすのにコツが必要ですから、公園などで訓練をしましょう。ショベルは素早く埋没した人を救出する重要な用具です。ショベルを有効に使えば、埋没深が1mでも10分程度で救出出来ますが、手で掘れば1時間以上かかるというデータがあります。 軽量でも十分な強度のあるショベルを選びましょう。
アバランチギアは雪崩ビーコン・プローブ・ショベルの3つが揃って初めて雪崩に対処することができます。


雪崩捜索訓練

 

そもそも雪崩に合わないために

 
埋没した人を助けるのに重要な役割を持つ雪崩対策装備ですが、天候を把握して、危険性の増大する大量の降雪や気温の急激な変化が観測された時は入山を控える。地形図をよく見て、より雪崩に遭遇しない登路を検討する。登山中の積雪や雪崩の発生状況などの現地観察がより安全な登山につながります。

 
 
皆様がすばらしい登山をされる事を石井スポーツスタッフ一同願っております。

 
 

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