2017年8月のテーマ|登山の日

安全登山の豆知識8月編

8月登山の日「刷毛でひと拭き 空に秋の気配」


北アルプス 薬師岳

 

今月は、北アルプスの薬師岳を紹介しましょう。薬師岳は深田久弥の著書「日本百名山」-新潮社-によると、「薬師岳は、白馬や槍のような流行の山ではないが、その重量感のあるドッシリとした山容は、北アルプス中随一である。」とあります。今では北アルプスの女王とも呼ばれ、東京から新幹線が富山まで運行されて、登山口まで容易にたどり着ける山となりましたが、深田久弥の最初の山行記集「わが山山」では、登山口となる今ではダム底に沈む有峰村まで、千垣駅から1日をかけて和田川を遡っています。それも前年にできた道のおかげで、以前は谷の険路を行くか、東笠ヶ岳の山頂を経由する山道だけが通じている山中の秘境と記しています。いにしえに思いを馳せ、皆さんも、この名山に登ってみませんか。

 

(行程)

【1日目】折立→三角点→太郎平小屋

【2日目】太郎平小屋→薬師峠→薬師岳山荘→薬師岳→薬師岳山荘→薬師峠→太郎平小屋→三角点→折立

※このコースは特に厳しい登りもなく、太郎平小屋近くの薬師峠にはキャンプ場もあるので、北アルプスの小屋泊まりとテント泊入門ルートとしてオススメです。また、太郎平は素晴らしいところで、雲の平をはじめ、水晶岳などの奥黒部の山々に、遠く槍ヶ岳ものぞむ事が出来る別天地です。山慣れた人であれば、これらの山々を巡り、縦走されるとより素晴らしい山行となるでしょう。

 

夏山の快適登山術

今月は水分補給と熱中症に加えて、虫対策についてお伝えします。

 

『その1 夏山は気持ち良く汗をかいて、快適で安全な登山をしましょう』

 

-水分補給が重要なわけ-

登山で気持ちよく汗をかくためには水分補給が重要です。水分が不足すると、循環不全という状態になり、末端の組織まで酸素が運ばれにくくなるので、すぐに疲れてしまいます。翌日まで疲れも残りせっかくの休日が台無しです。

 

-水分補給の目安-

「トイレが近くなる、お腹が痛くなるので・・・」とか、水分補給が重要と分かっていても、つい二の足を踏んでしまいがちです。水分補給の基本は誘い水のつもりで歩き始め30分前に約200ml(コップ2杯程度)飲んで、トイレも済ませます。そのあとは1時間に300mlを目安に飲みますが、一度にゴクゴク飲むと体に吸収されずにおなかが痛くなったり、トイレが近くなります。何度かに分けて飲みましょう。ハイドレーションタイプの水筒であれば、歩きながら補給できるので便利です。

 

 

【おすすめのハイドレーション】

ソース“ワイドパック2.0L”

ソース“ワイドパック2.0L”

開口部が大きく、洗浄や乾燥がしやすい。飲み口にはカバーキャップが付いているので衛生的で、本体も菌の繁殖を抑える素材を使用しています。

¥4,500

 

 

 

プラティパス“ソフトボトル1.0L”

プラティパス“ソフトボトル1.0L”

小さく丸めてコンパクトにできる超軽量ボトル。飲み水の他に真水を持っていくと調理時や傷口を洗う時に役立ちます。

¥1,200

 

-水分だけの補給は危険-

登山中の水分を補給は1時間300mlが目安と述べましたが、水分だけを補給すると電解質を失った体液をさらに薄めて低ナトリウム症(水中毒)を引き起こし危険です。水分と電解質の補給は切っても切り離せません。特に夏は発汗量も多く積極的に水分補給しなければなりませんが、電解質を含有したスポーツドリンクを中心に、塩分補給サプリメントも準備しましょう。

 

 

【おすすめのサプリメント】

ミドリ安全“塩熱飴PRO”

ミドリ安全“塩熱飴PRO”

電解質が素早く補給できます。その他ビタミンBやアミノ酸BCAA,グルタミンを配合しています。

¥350

 

 

 

パワーバー“パワージェル”<

パワーバー“パワージェル”

カロリー消費が激しい運動中にエネルギーを即座に補給する目的で作られた濃縮炭水化物のジェルです。

¥250

 

-熱中症に注意-

夏の登山で水分補給とともに注意したいのが熱中症です。

 

〈熱中症の要因〉

その1 環境  気温、湿度が高い 日差しが強い 急に暑くなった

その2 からだ 寝不足・二日酔い お腹を下す等の脱水状態

その3 行動  激しい運動 長時間の屋外活動 水分補給を怠る

これら3つの要因から体温の上昇と調整機能のバランスが崩れて、身体に熱が溜まってしまう状態が熱中症です。

 

〈熱中症を予防するためには?〉

熱中症予防は、水分・電解質補給、帽子、日陰、涼しい服装が良いとされています。登山では、第一に水分・電解質補給が大切なことは先に述べました。さらに長時間活動するので、カロリー補給も忘れずにしましょう。低栄養状態も熱中症の要因です。帽子、涼しい服装、日陰ですが、登山用の帽子には風通しや日差しを遮る工夫を凝らしたものがあります。涼しい服装は登山の場合なかなか難しいですが、UVカットのアイテムや速乾性の素材等をうまく活用しましょう。

 

 

【おすすめの帽子】

フェニックス“Arbor Hat”

フェニックス“Arbor Hat”

サイドメッシュを施したハット。収納できるサンシェイド付きです。

¥4,100

 

 

【おすすめのUVグローブ】

パイネ“UVトレッキンググローブ”

パイネ“UVトレッキンググローブ”

UVカット機能を備えたグローブ。メッシュ素材を使用しているので汗ムレも少ないです。

¥1,550

 

『その2 登山中に注意する虫の防ぎ方と対処の仕方は?』

 

蚊やぶゆ・ケムシ・ヒル防ぎ方

①長ズボン長袖を着用して肌を露出しないこと。
*防虫効果の高いメッシュのパーカを活用すると、蒸し暑いときも大丈夫。

②携帯の蚊取り線香や虫除け・ヒル除けスプレーをいつも準備。

 

蚊やぶゆ・ケムシに刺された時の対策

①どんな虫であれ、流水で洗い流す。

②ヤブ蚊やぶゆなどの毒性の強い虫の場合はポイズンリムバーで吸い出す。

③ケムシの場合は毒棘を粘着テープなどで取り除く。
*タオルで棘を振り払うと、棘のついたタオルを介して炎症を広げるので要注意。

④抗ヒスタミン系成分を含むステロイド系軟膏を塗る。
*抗ヒスタミン系成分(市販のかゆみ止めにはほとんど含まれます)

 

ヒルに吸われた時の対策

ヒルは血を吸うと自然に剥がれ落ちますが、食らいついているときは引っ張って無理に取ると口が残るので、ライターの火などであぶって取ります。また、いつまでも出血するので絆創膏を強く張ります。

 

医療機関(皮膚科)を受診

ヤブ蚊やぶゆなどの毒性の強い虫やケムシに刺された場合やウルシなどの毒のある草にかぶれた時は患部を冷やして速やかに医療機関に行きましょう。

 

 

【おすすめの虫除け】

Para Kito“パラキートクリップ”

Para Kito“パラキートクリップ”

天然成分100%のエッセンシャルオイルの力を使用して虫から身体を守ります。クリップはカラビナ付きで、バッグやベルトなどに手軽につけることができます。

¥2,500

 

 

【おすすめのポイズンリムーバー】

アスピラボ“エクストラクター”

アスピラボ“エクストラクター”

蛇や虫の毒液吸い出し緊急用品です。4サイズの吸口が付いているので患部の大きさに合わせて応急処置ができます。

¥3,000

「用意周到な準備で安全登山」皆様がすばらしい登山をされる事を石井スポーツスタッフ一同願っております。