冬の低山は楽しみの宝庫。寒い・雪で滑るそんなイメージで冬は冬眠と決め込んでいませんか。
冬の低山は寒椿・南天・蠟梅と色豊かな世界です。大寒を過ぎるころからはカタクリ・ショウジョウバカマと春の訪れ近し!を告げる花々も咲き始めます。自然美だけでなく南に向いた山道を行けば、陽だまりの心地よさを感じます。
冬で縮こまった身体を冬の低山で思いっきり伸ばしてみませんか。

冬の登山を楽しむために

冬の登山を楽しむために、気を付けなければならないのが気候、服装、日の短さです。
一般的に気温は標高が100m上がるごとに0.6度下がると言われており、登山口と山頂の気温が、6度〜8度以上差がある山もあります。麓ではおだやかな小春日和でも、山頂ではいきなり北風吹きすさぶ冬の世界ということもあります。
防寒着と帽子・手袋はもちろんのこと、体温調整の行いやすいレイヤリングで出かけましょう。
また冬は日没が早く、行動できる時間も短くなってしまうので、 夏山と同じような行程ではなく、日照時間の短さを考慮した登山計画を立てることが大切です。 ▶おすすめウエア・装備を見る

冬の登山におすすめの山

埼玉県宝登山ほどさん(497m)

【おすすめの時期】 12月下旬~2月中旬
【登山レベル】 初心者~初級者
【アクセス】 秩父鉄道 長瀞駅

おすすめポイント

眼下に広がる秩父の町並みや、秩父のシンボル「武甲山」、鋸状の山容をした「両神山」など眺望抜群の山。冬の風物詩 蠟梅が見事な花を咲かせる。ロープウェイもあるので、雪道の下りの状況では無理をしないで下山することもできるので、初心者の冬ハイク入門に最適。

千葉県伊予ヶ岳いよがたけ(336m)

【おすすめの時期】 12月下旬~2月中旬
【登山レベル】 初級者
【アクセス】 JR内房線岩井駅-(市営バス)-天神郷バス停下車

おすすめポイント

千葉のマッターホルンと呼ばれる南房総にある関東百名山の一つ。初心者に人気の山です。低山ながら岩場・鎖場もあり、初めての鎖場挑戦にも最適!

神奈川県明神ヶ岳みょうじんがたけ(1,169m)

【おすすめの時期】 12月~3月
【登山レベル】 初級者~中級者
【アクセス】 伊豆箱根鉄道大雄山線 大雄山駅から伊豆箱根鉄道バス乗車 同了尊バス停下車

おすすめポイント

箱根の外輪山の一座である明神ヶ岳(1,169m)は、何といっても360度の大展望が魅力の山。晴れていれば眼前の真っ白い雪を纏った富士山と手前の金時山、煙をはく箱根大涌谷、丹沢の山々が一望です。コースも凛とした雰囲気の古刹・最乗寺で参拝した後、樹林帯、広々としたカヤトの道を登り1,169mの頂きへ。明星ヶ岳(924m)を経て箱根・宮城野へ下山すれば温泉も楽しむことができます。ただ降雪があった直後は雪の重みで笹などが登山道に倒れこんでおり大変。またチェーンアイゼンは必須装備です。

神奈川県仏果山ぶっかさん(747m)

【おすすめの時期】 12月~3月
【登山レベル】 初級者
【アクセス】 小田急線・本厚木駅から神奈中バス乗車 あいかわ大橋バス停下車

おすすめポイント

丹沢の前衛の山で古くから修験道の山として知られ、山頂からは丹沢山塊、宮ケ瀬湖、神奈川中央部の街並み、湘南海岸とダイナミックな眺望が広がります。 整備されたあいかわ公園を起点に宮ケ瀬ダム~高取山~仏果山~半原越~経ヶ岳と眺望を楽しみながら日帰り縦走を満喫できます。

神奈川県三浦アルプスみうらアルプス

【おすすめの時期】 12月~3月
【登山レベル】 初心者~初級者
【アクセス】  JR横須賀線田浦駅 ほか

おすすめポイント

三浦半島北部を横断するトレイルの三浦アルプス。標高200m足らずの稜線ですが、アップダウンも多く侮れません。都心からのアクセスも良く、冬場の体力維持に歩くのはおすすめです。2月頃になるとヤブツバキも咲き乱れ、起点の田浦梅林の梅も見事です。

兵庫県高御位山たかみくらやま(304m)

【おすすめの時期】 12月下旬~3月中旬
【登山レベル】 初級者・中級者
【アクセス】  JR山陽本線「曽根駅」から神姫バスで「鹿島神社」下車

おすすめポイント

播磨富士と呼ばれる端正な山容に、爽快な稜線歩きができる人気の山です。低山ながら岩場もあり、初めての岩場挑戦にも最適!初心者は経験者に同行してもらって、岩場の歩き方や読図などを学びながら冬の一日を楽しみましょう。

兵庫県六甲山石切道ろっこうさんいしきりみち(889m)

【おすすめの時期】 12月下旬~3月中旬(通年楽しめます)
【登山レベル】 初心者から初級者
【アクセス】  阪急御影駅から住吉道経由もしくはJR住吉駅から神戸市バスで「渦森橋」

おすすめポイント

六甲山の花崗岩は御影石と呼ばれ、大阪城築城にも使用された。かつてこの石を運んだ道で、今はよく整備されたハイキング道になっています。六甲山の稜線まで登り詰めれば、神戸の街並みが冬の澄んだ空気できれいに眺めることができます。
帰りはバスで下山もできます。そのまま頑張って有馬まで足を延ばして熱い温泉につかって体の疲れをとって帰宅もおすすめ。1月は道に雪も積もり氷結することもあるので、チェーンスパイク・ストックを持参しましょう。

兵庫県六甲山 東おたふく山ろっこうさんひがしおたふくやま(697m)

【おすすめの時期】 12月下旬~3月中旬(通年楽しめます)
【登山レベル】 初心者から初級者
【アクセス】  阪急芦屋駅からロックガーデン経由もしくは阪急バスで「東おたふく山登山口」

おすすめポイント

六甲山は最高峰931.3mを中心として、西に摩耶山・東に甲山といくつものピークが、神戸の街の背後に屏風のように立ち並んでいます。いずれもよく整備されたハイキング道が整備されて市民に親しまれていますが、東おたふく山の頂上周辺は一面のササの草原を登る道で、振り返り登れば遠く大阪湾越しの金剛山や葛城山の山並みを楽しめます。

冬の登山おすすめアイテム

ベースレイヤー

服装選びはまずベースレイヤーが重要です。肌に接する部分で汗が乾かずに、汗冷えによる低体温症に陥る可能性があります。
速乾機能のついたTシャツなど、汗を素早く吸収・拡散する高機能ウェアを選ぶのが鉄則です。汗冷えする綿の肌着は避けて下さい。

ミドルレイヤー

次に大切なものは、ミドルレイヤーです。汗を外に放出しつつ、保温性が求められます。
冬の服装はミドルレイヤーを着て行動することが多くなります。通気性と保温性を兼ね備えた素材のトレッキングシャツなどを選びましょう。

アウターレイヤー

風雨から体を守るのがアウターレイヤーです。防水性はもちろん汗を逃す浸透性が高いものがおすすめです。
防寒着として活用できますので装備として必要になります。

防寒着

ダウンタイプは軽量のため追加の防寒着として、万一の際の備えとして、どんな山行でも持っておきたい1枚です。

パンツ

ロングパンツは、ストレッチが効いているもので、動きやすい足上げもしやすい形状がおすすめです。

ニットキャップ

肌さが本格化する冬は、耳まで覆うことができるものがおすすめです。

グローブ

手の冷えは登山中辛いものです。保温性と操作性を両立した中厚手のもので、タッチパネル対応であれば、手袋を外さずにスマホが操作できます。

ヘッドライト

冬の夕暮れはあっという間です。そして暗くなってしまうと暗闇が深く行動することが危険になります。「ヘッドランプは必ずザックの中へ」そして「替えの電池も忘れずに」が基本です。

トレッキングポール

冬の登山道で侮れないのが落ち葉。とくに照葉樹の落ち葉や濡れた落ち葉は想像以上滑ります。また落ち葉が積もることによって道のデコボコが見えにくくなり思わぬ転倒に繋がるケースも。 転ばぬ先の杖としてトレッキングポールは備えておきたいアイテムです。

サーモス

山のフィールドで要求される多くの条件を想定して作られた『山専ボトル』。お湯を入れてゆけばラーメンを食べたり、コーヒーを飲んだり、休憩時の楽しみに繋がります。

ツェルト

ツェルトとは登山用の小型で軽量コンパクトな簡易テントです。緊急時のビバークや、被るだけでも寒さをしのげるので休憩などにも便利なマルチツールです。 ポールセットやトレッキングポールを利用すれば、テントとして利用も可能。

ファーストエイドキット

登山中は予期せぬケガや危険に遭遇するもの。落ち葉で滑ったり、岩場で足をすりむいてしまったりと何が起こるかわかりません。「ファーストエイドキット」は常備しましょう。

エマージェンシーシート

怪我して動けない、体力の限界で動けない等、道に迷って行動不能等の危機に陥った場合、体温の確保が重要です。急な気温の低下や汗冷え等の濡れは体温が一気に奪われ、最悪の場合、低体温症になります。 低体温症は命に関わりますので、もしもの為に1枚装備に入れましょう。

熊鈴

熊出没情報がある山域は避けて、登山者が多く利用する登山道であればクマと遭遇するリスクは下がりますが、 早朝や夕方に歩く場合は特に大きな音を立てて、人間の存在を伝えて歩きましょう。