ランナーズインタビュー

石井スポーツとアートスポーツには、スタッフでありながら現役ランナーでもある竹村直太鈴木健司が所属しています。大会でのエピソードや装備のご相談も店舗で直接お話させていただきます。お近くにお越しの際には、ぜひお立ち寄りください。今回はそんな二人にランナーとしてそれぞれの考え方や走ることに対する思いなどを聞きました!

Interview Vol.1

信越五岳トレイル2022で見事に準優勝!

竹村 直太

石井スポーツ リンクス梅田店

中高大と陸上漬けの学生時代を過ごし、社会人以降もいち市民ランナーとしてさまざまな大会に出場。フルマラソン2時間33分46秒の記録を持つ実力者でもある。その一方で、近年はトレイルランニングにも積極的。出場した大会では軒並み上位に食い込むなど、トップアスリート顔負けの走りが注目を集めている。

▶インタビュー記事はこちら

Interview Vol.2

ウルトラマラソンをはじめ、多くのレースに参加!

鈴木 健司

アートスポーツ本店

中高と陸上部に所属。高校3年時には初フルマラソンに挑戦し、現在まで完走歴は30回以上。また、18歳の頃からウルトラマラソンをライフワークとし、「サロマ湖100kmウルトラマラソン」をはじめ、全国各地の大会に参戦。アートスポーツ主催のビギナー向けのランニングクリニックなどでコーチを担当するなど、長くラクに楽しむランニングの普及にも努めている。

▶インタビュー記事はこちら

Interview Vol.1

竹村 直太
(石井スポーツ リンクス梅田店)

「走るのが好き」という気持ちに勝るものはない

takemura2

登山道や林道といった未舗装路を駆ける、トレイルランニングの世界。自然の中を走る気持ち良さと厳しさが同居する、ロードのランニングとはひと味違った魅力が楽しめるとあって、競技人口が年々増え続けている注目のアクティビティです。

アートスポーツ リンクス梅田店に勤務する竹村直太も、そんな“トレラン”の魅力にハマったひとり。先日開催された「信越五岳トレイルランニングレース」をはじめ、さまざまな大会で上位に食い込む実力を持つ彼の話から、その魅力を紐解いていきましょう。

「信越五岳トレイルランニングレース」で準優勝!

takemura1

信越五岳トレイルランニングレース

2022年9月17日〜19日までの3日間にわたって開催された「信越五岳トレイルランニングレース」。トレイルランナーの石川弘樹氏プロデュースの元、「斑尾山」「妙高山」「黒姫山」「戸隠山」「飯縄山」の信越五岳を結ぶ全長160kmにも及ぶ山岳エリアと、信越高原の各地域を繋いだ壮大なコースを堪能できる、国内屈指の人気大会です。

大瀬和文さんや井原知一さんなど、日本の名だたるトレイルランナーがエントリーリストに名を連ねる中、竹村はそれに割って入るように、準優勝という快挙を成し遂げました。 竹村自身、信越五岳への出場は今回が初めて。100マイル(約160km)となると、公式レースでは今回が3回目のチャレンジでした。

「例年でいくと、19時間30分くらいが優勝タイムだったので、私は『20時間切り』を目標に設定して臨みました。その中で入賞(上位10位以内)を目標にしつつ、レース後半の状況次第ではトップを狙ってみようかな、くらい感じでしたね。ハナから優勝を意識すると、気負い過ぎて潰れてしまうことが多いので」

takemura3

実際のレースは、大瀬さんが終始先頭を走り、竹村は2番手で追う展開。ラスト60kmを過ぎると、今度は「井原さんが追い上げてきている」という情報をペーサーから耳にし、そこからは一転して逃げる展開に。最後はなんとか、振り切ることができたのだとか。

タイムは20時間36分58秒。トレイル自体のコンディションは良好だったものの、2日目は日中の気温は、まさかの30度超え。ことランナーにとっては過酷な天候の中、これは大した記録です。

「信越五岳は走れるパートが多い100マイルレースなので、ある程度のスピードをキープして走り続けなければなりません。そうなると体、というか胃腸が上下に揺れる状態が続くので、後半にかけては消化不良などのトラブルにも見舞われました。でも、ラクな100マイルなんて、ないですからね」

普通の感覚では想像すら追いつかないほど過酷なレースを走り切ったにもかかわらず、平然と、淡々に、時には笑顔を交えながらレースを振り返ってくれた竹村。彼がトレランの魅力にハマったキッカケは、何だったのでしょうか?

takemura1

「トレイルのほうが自分には合っていた」

そもそも竹村が走ることを本格的にスタートしたのは中学生の頃。当時は今とは真逆の短距離選手として鳴らし、100mを皮切りに200、400、800mと徐々に距離を伸ばしていったと言います。大学からは5000mや1万mといった長距離種目を主戦場とし、4年次にはフルマラソンに初挑戦。記録は2時間38分で「ほぼほぼ狙い通りのタイム」だったそうです。

「思ったよりマラソンを走れたので『自分には長距離適正があるのかな』と。そこから就職した後も、いち市民ランナーとして大会に出るようになりました」

当初はロードのマラソンを走るための練習として取り入れていたトレランですが、程なくしてその比率が逆転。今ではトレイルのレースのために、ロードは時折走る程度なのだそう。

「ロードにはロードの魅力がありますが、トレイルのほうが自分には合っていたんだと思います。上りのパートでゼーハーすることで頭を空っぽにできたり、登り切った後に素晴らしい景色が待っていたりしますが、何より山を走るのが気持ちいいんですよね。時には仲間と一緒に走ることもあるけど、そこにもまた違った楽しみもありますし」

練習は基本、週5日で仕事のある日は30分〜1時間くらい。休みの日は前日から山に入って、次の日の夕方くらいまで、寝ずにずーっと走っていることが多いと言います。

「1日中走ってる? そうですね、まわりの人からも、『休日なのに休んでないね』って、よく言われます(笑)。でも、好きでやっていることなので」

takemura2

「純粋に、走ることが好き」

さながらアスリートのような生活。さぞストイックに自分を追い込んでいるかと思いきや、本人にはまったく、そんな意識はないようです。

「前述した通り、練習でもレースでも、純粋に山を楽しみながら走っていることのほうが多いんです。今回の信越五岳のように、順位を狙って大会に出るようなことのほうが少なくて、練習半分、遊び半分でレースに出ることがほとんど。だから、いわゆる“レース疲れ”というのもそこまでありません。私の体にとっては、走っていることが普通になっているせいか、むしろ走らない日のほうが体調は良くないです(笑)」

どうすれば、そんなふうに走ることを楽しめるようになるのか、竹村ならではの感覚で、こんな話をしてくれました。

takemura1

「シューズを新調するとか、音楽を聴くとか、手軽にモチベーションを上げる方法はいろいろありますが、大前提として『走ることは辛くない』と思えるかが大切。だから最初は、走ることに対するハードルを、もっと下げてあげればいいと思います。例えば、週5回走るのでも、距離は短くたっていいんです。『しんどい』と感じる前にやめてもいいから、続けることを優先してみてほしいですね。そうしている内に、自然とラクに走れるようになれば、自分の体やギアのことにも興味が湧いてきて、話の合うラン仲間もできたりする。そうなってようやく、ランニングの楽しさを感じられるのではないでしょうか」

純粋に、走ることが好き。この基本かつシンプルなマインドが体に染み付いていることこそ、竹村最大のストロングポイントなのかもしれません。

「これはペーサーの方に言われたことなんですが、私はレースの大小に関係なく、走っている時には自然とアドレナリンが出て、そこに集中力を傾けられる性質があるようです。思い返せば100マイルに初挑戦した時も、そこまで高いハードルだとは感じなかったように思います。むしろロードのマラソンよりも、ペース的には余裕を持って走れるな、くらいの感覚で淡々とペースを刻むことができました。それと、昔やっていた短距離の経験も活きているなと感じます。勝負どころで全力を出し切る方法を知っているのも、僕の強みかもしれません」

そんな彼の次なる目標は、国内最大級のトレイルランニングレース「UTMF(ウルトラ・トレイル・マウント・フジ)」。目標は信越五岳同様、「最低10位以内」です。

「こうして自分がトレイルの大会に出場できるのは、お店のスタッフの皆さんの応援や理解があってこそ。そこにも感謝の気持ちを持って、少しでも上の順位を狙っていけたらいいですね」

トレイルランナー・竹村直太の走りに、今後もぜひ注目してください。

Interview Vol.2

鈴木 健司
(アートスポーツ本店スタッフ)

“長い距離を楽しく走る”をずっと追い求めてきた

suzu33

自らもウルトラマラソンのランナーである、アートスポーツ本店スタッフ 鈴木健司のランナーの原点、モチベーションはどこから来るのか?これからランニングを始める方も、既に始めている方も必見の内容。要チェックです!

マラソンは速くなくても楽しめる

「元々、走ることは好きでした。小学生の頃も持久走が好きでしたし、中学時代も陸上部。ただ、決して速い選手ではなかったです。それでもやっぱり走ることが好きで、高校でも陸上を続けました」地元埼玉の強豪・浦和工業に、一般入試で進学した鈴木さん。“都大路”常連の強豪校で、まわりはのちに箱根駅伝を走るようなエリート選手ばかりでした。高校2年生のある日、鈴木さんにとってひとつのターニングポイントが訪れます。

「8月の暑い日、熊谷から学校のある浦和まで走るっていう練習があったんです。距離にして約45km。最初は『鈴木は自転車で並走しなさい』と言われたんですが、『いやいや、やらせてください』と(笑)。駅伝のレギュラーメンバーに混じって、走れることになりました」。季節は真夏。どんなエリートランナーでも、酷暑の中を走るのはハードなものです。しかも、フルマラソン以上の長距離。案の定、「暑すぎる」「腰が痛い」という理由で、ほとんどの選手がリタイアする中、鈴木さんは見事完走を果たしたのです。「自分にとって気持ちいいペースで長い距離を走れることが、とても楽しかった。その時に思ったのは『速くなくていいんだ』と。いい意味での勘違いですよね」

思わぬカタチで長距離ランの魅力を知った鈴木さん。「もっと長い距離を楽しく走りたい」と思っていた矢先、雑誌でたまたま存在を知ることになったのが、「サロマ湖100kmウルトラマラソン」でした。自分の知らない土地や未体験の距離へのワクワク感から、大学進学直後に初挑戦することに。

「マラソン大会というと、スタートしたらまわりはみんなライバル、という感じでしたが、ウルトラマラソンの雰囲気はまた少し違っていたんです。並走するランナーも未知の距離を一緒に走る同志のように感じられるし、大会のたびに馴染みの顔が増えていったりする。そういう人とのつながりにも魅力を感じましたね」

suzuki1

鈴木さんのランニング人生を変えたCW-XのタイツとZEN NUTRITIONのサプリメント。
もちろんアートスポーツでも取り扱い中

衝撃的だったCW-Xとの出会い

こうして長距離ランにすっかり魅了された鈴木さん。その後も毎年のようにさまざまな大会に出場するようになるとともに、「もっとラクに走るにはどうすればいいか」を追求していくようになっていきました。「新卒でアートスポーツに入社して、とにかくいろいろなアイテムがあることに驚きました。『コレを使って走ったら、どんなにラクだろう』という発見の連続でしたね」なかでも鈴木さんが注目したのが、サポートタイツでした。

「それと、正しいフォームを意識しやすいこともメリットだと思います。サポートタイツを履くことで、骨盤だけを立てて姿勢を正すように促してくれる。姿勢がよくなれば、結果的に目線も上がるし、走りながら正しい位置に筋肉がつきやすくなる。特にランニングを始めたばかりというお客さまには、今でも強くおすすめしています」

ランナーは体のケアが大切

こうしたサポートタイツをはじめ、体への負荷を少しでも減らすように工夫することは、ランナーとして常に意識すべきポイント。気分に任せて闇雲に走ると、その時の充実感だけで習慣にならないまま終わってしまう人も多いと鈴木さんは言います。「走る時はもちろん、走ったあとも大切なんです。ストレッチや筋膜リリースで体をケアしてあげたり、走ることで失われた栄養をしっかり補うことも意識してほしいですね」

鈴木さん自身も、昔はあまり量を食べられない体質で、レース中に内臓疲労を起こしてゴール後に力尽きてしまい、食事も満足に摂れなくて体が回復しにくいことに悩んでいた時期があったそう。そんな状況を変えるきっかけになったのが、サプリメント「ZEN NUTRITION」です。

suzuki2

ウルトラマラソンのレースでは、もっぱらオンのクラウドを着用。「200kmまではコレで行けます。軽さとクッションのバランスがちょうどいい」(鈴木)

「“トラ”と“ダルマ”の2種類があって、前者は運動前に飲んで脂肪燃焼をサポートする、後者は運動後に飲んでリカバリーを促す、というのが基本的な使い方になります。僕が内臓疲労に悩んでいることを知ったメーカーの方が『レース中、同時に摂ると効果的だよ』と教えてくれました。どちらもオリゴノールというアミノ酸が含まれていて、それが内臓疲労に効果的であるというエビデンスもあるんです。実際のレースでは、3時間に1回のペースで各3錠ずつ摂りながら走ったんですが、これが本当に効果的でした。脂肪をエネルギーとしてしっかり燃焼させながら、内臓疲労も抑えてくれるので、レース中もちゃんとお腹が空くんです。結局、走りながらも食べて、ゴールした後もブースに残っていたお弁当なんかを食べて、その日の夜も現地のおいしいものをしっかり楽しめました(笑)」

走ったぶん消費したエネルギーを、食事でしっかり補う。そういう基本的なことをおろそかにせず、体を確実にリカバリーさせることで、翌日以降も元気に走り続けることができるのです。

「僕は高校時代から、速く走ろうと思ったことがないんです。とにかく楽しく走れればいい。そのためには少しでもラクに走りたい。それは走ることを、ずっと続けたいからでもあるんです。ウルトラマラソンの大会に行くと、自分より年齢が高くても元気な人がほとんど。そういう人たちからは本当に刺激をもらえるし、モチベーションにもなる。少しでも長く、楽しく走り続けた結果として、いつか『ウルトラマラソンといえば鈴木健司』と言ってもらえるようになったら、それもまたありがたいことだと思いますね」