大自然に直に触れる登山は様々な魅力にあふれ、一度登れば誰もが虜になります。一方、もっと楽しく、もっと快適に、もっと安全に山に登るためには、登山の鉄則、装備、マナー、自然環境など、知っておくべきことがいくつもあります。 ここに挙げたポイントをチェックしていただき、ビギナーの方は単独行動を避け、ベテランの登山者と行動を共にしながら、楽しく安全に一歩ずつ経験を積み重ねていきましょう!
1. 経験、技術、体力を考えて、無理のない日程とコースを選びましょう。
2. 単独登山を避け、経験の豊富な人たちと一緒に行動しましょう。
3. 家族・職場には、登山コースや帰宅時間を告げておきましょう。
4. 天候の急変や緊急時に備え、十分な装備と予備の食料を準備しましょう。
5. 山の気象や地形を十分に調べ、登山に際しては地元で情報を確認しましょう。
6. 無理のないしっかりとした山行計画を立て、必ず登山届けを提出しましょう。
7. 山の午後は天気が変わりやすいので、早出早着が鉄則です。
8. 悪天候時や体調不良の際は、無理をせず引き返しましょう。退くも勇気です。
・ウエア、ブーツ、ザックなどの専用品は、自分の山行に合った信頼のおける アイテムを揃えましょう。
・ツェルト、ガスバーナー、コッフェル、ファーストエイドキット、エマージェンシーシートは万が一のための必須装備です。
・雨具、防寒具、地図、コンパス、ヘッドランプ、非常食も必ず携帯しましょう。
・携帯電話・衛星利用通信機器・無線機などの通信手段を確保し、予備の電池も用意しましょう。
・出発前日は十分に睡眠をとり、早朝に登山を開始、午前中に登頂しましょう。
・脱水症や熱中症・高山病などを防ぐために、水分はしっかり取りましょう。
・水分を取る際に塩アメ・サプリなでのミネラル分を一緒に取って足の痙攣や疲労を予防しましょう。
・朝のスタート時は、ゆっくりと余裕のペースで歩きます。出だしのハイペースは 後半の疲労やバテにつながります。
・転落や滑落は下山時に多く発生しています。疲労が蓄積した下山時は 特に慎重に行動しましょう。
・標高が1000m上がると6°C気温が下がり、風速1mにつき1°C体感温度が下がります。
・夏期は午後になると霧が発生しやすく、雷や雷雨の 発生確率も高くなります。
・下山時間や山小屋の到着時間は遅くとも 午後3時に設定して行動時間に合わせて出発時間を決めましょう。
・5月・6月の残雪期や10月の初雪の季節には 雪への備えが必要です。
・道標など現在位置が確認できる場所まで、来た道を引き返すことが鉄則です。
・むやみに歩き回らないこと。「いまどこにいるかわからない」状態になってしまうのが遭難で一番多いケースです。
・来た道も不明だったりヤブなどに入りこんでしまった時は、できる限り安全なルートを 探りながら尾根に向かって登ります。
・谷には絶対に入らないこと。地図には現れない滝や急斜面に出てしまい、転落・滑落の危険性が増します。
・日没が近い場合は、風雨の影響を受けない岩陰や茂みなどの安全な場所を早く探してビバークしましょう。日没となると安全地帯を探すことも難しくなります。
・日が暮れると行動力が極端に低下します。照明用具があっても、無理な下山は禁物です。
・早めに安全な場所でビバークし、ツェルトや防寒具・雨具を着こんで、寒気や風雨から身を守ります。
・明るくなるのを待ってから、行動を開始します。
・雪が強く降り出すと、短時間では回復する可能性はまずありません。雪が積もると尾根道は 識別できなくなり、歩行そのものが不可能となります。
・雪が降り出したら行動計画を変更し、早めに安全な場所まで引き返すのが鉄則です。
・水分を多量に含んだ人間の体そのものが良導体です。金属類を外しても安全ではありません。
・木の幹や岩壁から2m以上離れ、斜面や窪地などで低い姿勢をとりながら、雷が遠ざかるのを待ちます。
・高い場所や丘の上、川原・草原・岩場などの開けた場所、大きな樹の下は危険です。
・決して動き回らず、雷が収まってから安全な場所に避難・移動します。
・最も大切なのは、クマを興奮させないこと。大声を出したり物を投げつけるのは禁物です。
・慌てずにクマと向き合ったまま、そっと後ずさりしながらその場を静かに離れます。
・走って逃げるのも禁物です。クマは逃げるものを追う習性があります。
・子グマの場合もすぐにその場を離れること。小グマのそばには必ず母グマがいます。
・転滑落した人に近寄れない場合は警察 (110番) や消防署 (119番)へ救助要請を行うことが先決です。
・転滑落した人に近づけたとしても、上部から直線に接近するのは禁物。落石が負傷者を直撃する危険性があります。
・まず負傷者の応急処置を行い、負傷者を風雨のしのげる安全な場所に移動させます。
・ツェルトや防寒具・シュラフを使って、負傷者の保温に努めます。
・負傷者の搬送・救出が困難だと判断したら、できるだけ早く救助要請を行います
・山岳地帯では電波の不安定な場所が入り組んでいるので、1m離れただけで通じる場合もあります。
・救助を求める場合は、遭難発生場所と避難場所 負傷者の状態を端的に伝えます。
・電波の弱い山地では電池の消耗が早くなります。登山中は電源は切るか、マナーモードにしておきましょう。
・低温下では電池の電圧が低下し、使えなくなることがあります。 温めると使用できることがあります。
・その場所が救助を待つのに適切な場所か確認します。 雨風・落石をしのげるかどうかは必須条件です。
・地上からの捜索者を確認した際は、ホイッスルなどで 音を出して居場所を知らせます。
・ヘリコプターに救助を求める場合は広く見通しがよい場所に移動して待機します。
・ヘリコプターを確認した際は、以下のような合図が有効です。
①雨具やタオルなどを大きく振る
②鏡やナイフ、カメラのフラッシュなどの光をヘリコプターの方に当てる
③発煙筒を使用するか、焚き火に生葉を被せて煙を出す
④ヘリコプターが近づいてきた時は、風に飛ばされるものは片付けます
・自分のレベルに合った山を選ぶことが、最も大切な基本です。
・集合地点までは余裕をもって移動すること。夜行列車などでの移動は、疲れが残ります。
・ルート計画は必ず確認しましょう。ツアーからはぐれることがあるかもしれません。
・ツアー登山ではマイペースによる歩行や、協調性に欠ける行動は慎みましょう。
・体の変調に気づいた際は、団体行動だからといって無理をせず、すぐにガイドにその旨を伝えて指示を仰ぎましょう。