【カスタムブログ2022 Vol.4】アンフィビオ構造を武器に 魅力的なモデルをそろえるブランド、エラン

2022-06-10

石井スポーツがお届けするスキーニューモデル早期予約販売会「カスタムフェア」。スキー、ブーツ、ウェアなど、スキーにまつわるほぼすべてのメーカーのニューモデルが一堂にそろうスキーヤーなら見逃せないイベントです。ここでは独自のテクノロジーで魅力あるモデルをラインナップする「elan(エラン)」に注目。おすすめモデルを紹介していきます。

左右非対称構造の採用により高いターン性能を実現

スロヴェニアに本拠を置くスキーメーカー、エラン。オールドファンなら、アルペン・ワールドカップで史上最多の86勝を記録したインゲマル・ステンマルクやスラロームの名手、ボーヤン・クリジャイが愛用していたブランドとして記憶している方も多いでしょう。
そんなエランの現在の代名詞ともいえる技術が、左右非対称の構造を持つ「AMPHIBIO(アンフィビオ)テクノロジー」。2011年に登場したこのテクノロジーは、2015年には「アンフィビオ4D」に進化。現在ではゲレンデで快適なターンを楽しむオンピステモデルから、自然のままの雪山のなかでパウダーライドを楽しむファットスキーまでに採用される主要テクノロジーになっています。
アンフィビオテクノロジーの基本的な考え方は、左右のスキーに4本あるエッジを効率的に生かしてターンをすることです。例えば、オンピステモデルの「アンフィビオ16Ti」に採用されている「アンフィビオトゥルーラインテクノロジー」の場合、左右のスキーのインエッジ側(親指側)にはキャンバー構造を採用。滑走中にスキーヤーが発揮するパワーをダイレクトに雪面に伝え、シャープなカービングターンを描くことを可能にしています。人間の身体の構造上、足の親指とカカトを結ぶラインには強い力をかけやすく、足元をひねる・まわすなどの細かな操作も行ないやすく、なおかつバランスも取りやすいという特徴があります。それを生かして雪面にパワーを伝えたり、滑走性の良いターンをしやすい構造を採用しているわけです。反対に、バランス対応幅が狭く、滑走中に細かい操作をするのも難しい小指側には、トップとテールが持ち上がったロッカー構造を採用。操作性を高くすることをねらっています。
 さらにアンフィビオトゥルーラインテクノロジー(①)では、強化素材(緑色の部分)も左右非対称にデザイン。スキーのインサイド側とアウトサイド側、それぞれの目的に合わせて形や長さを最適化することで、確かなパワー伝達力と高速安定性、そしてクイックなレスポンスを実現。エランが理想とする4本のエッジを巧みに使ったスピーディなターンを可能にしています。その確かなターン性能を楽しめるモデルが「アンフィビオ16 Ti」です。シーズン中に行なわれた試乗会では「扱いやすさ」も高く評価されたというこのモデル。カスタムフェアでもぜひ手に取ってチェックしてください。

目的に合わせてアンフィビオ構造をアレンジ

ゲレンデでスピーディなターンを楽しむためのアンフィビオシリーズに対して、ウィングマンシリーズはゲレンデにあるさまざまな雪質や地形のなかで快適なターンを楽しむためのオールマウンテンモデル。そのために78~86mmとやや太めのセンター幅を採用しています。
このウィングマンシリーズでも左右非対称のアンフィビオトゥルーラインテクノロジーを採用していますが、オールマウンテンにスキーを楽しむためのアレンジが施されています(②)。具体的にはスキーのインサイド側もアウトサイド側もロッカー構造を採用しながらも、インサイド側とアウトサイド側でロッカーの比率を調整。インサイド側を控えめなロッカーにすることでパワーの伝達性やクイックなレスポンスを保ち、アウトサイド側をしっかりロッカーさせることで高い操作性を実現しています。あわせてオレンジ色の強化素材の形も調整。アンフィビオシリーズと比べると、インサイド側もアウトサイド側も強化素材が配されている長さが短く、そのぶん雪質や斜面状況への対応力が高められています。
このシリーズの中核を担うモデルが「ウィングマン78 Ti」と「ウィングマン78 C」の2機種です。ともにセンター幅78mmのモデルですが、強化素材がチタンかカーボンかという違いがあります。その乗り味の違いはカスタムフェアでスタッフに聞いてください。

オフピステモデル&折りたためるスキーヴォイジャーにもアンフィビオ構造を採用

エランのオフピステモデルとなるリップスティックシリーズ。このシリーズにも左右非対称のアンフィビオ構造が採用されています。その名はアンフィビオカーボンラインテクノロジー(③)。スキーのインサイドエッジ側のロッカーを控えめにし、アウトサイド側を大きめにロッカーさせることで、安定性の高さと操作性の良さを両立。そして、滑走中に強い雪面抵抗がかかるインエッジ側のトップからセンター部にかけてカーボンロッドを内臓することでハイスピードでの安定性を実現。もうひとつの特徴である軽さとあいまって、さまざまな条件の斜面が待つ雪山での快適でスムーズなターンを実現します。

もうひとつ今季のエランで注目すべき点は、折りたためるスキー「ヴォイジャー」の登場でしょう。独自に開発したコネクトテクノロジーにより、スキーをセンター部でふたつに折りたたむことが可能。今までは考えられなかったほど気軽に持ち運ぶことができるようになりました。
ポイントは、伸ばしたときには普通のスキーと変わりない性能を発揮すること。それを可能にしているのが、このヴォイジャーにもアンフィビオテクノロジーが採用されていることです。今までにない革新的な発想によるスキーなので、どうしても折りたためることに目が向きがちですが、エキスパートスキーヤーも十分に満足させるハイパフォーマンスモデルであることに注目してください。

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